急速な高齢化に伴いニーズが高まる訪問理美容サービス。その実態調査の結果がホットペッパーより発表されました。
コロナ禍で例年と比べて前年比9.3pt増ですが、具体的に例年と比べてどう変化したのか、その結果をまとめています。
訪問美容がコロナ禍などの影響で例年と比べてどう変化したのか。その結果の前に「そもそも訪問美容って?」「何をするサービスなの?」と疑問に思う方もいらっしゃると思います。
そのような方に向けて「訪問美容とは何か」をまとめましたので、知らなかったという方は是非ご覧ください。
すでに知っている方は飛ばしていただいて大丈夫です!
訪問美容とは?
要支援者・要介護者の認定を受けた方、乳幼児の育児で外出ができない方、山間部や離島で近辺に美容室がない人などを対象に、理容師・美容師が自宅や介護福祉施設、医療施設など指定の場所に出向いてカットなどの施術を行うサービスのことです。
理容師・美容師の出張サービスのようなものですね。
車で移動式シャンプーなど必要な器具を乗せて施設へ向かい、施術に向かい、車内や室内で施術します。
また、当然ですが美容師資格が必要であり、一人で施術先に向かうことも多いため、カットからパーマ、カラー、パーマなど一通りのメニューに対応できる技術のある方が担当されることが多いようです。
訪問美容の認知度・利用経験者はどれくらい?
訪問美容の現在の認知度や利用数はどれ程で、また今後どのように変動していくと考えられているのでしょうか。
下記は訪問利用サービスに対する全体の認知率と利用経験数です。
訪問理美容サービスに対する全体の認知率は77.9%であるのに対し、利用経験率は31.3%と差があります。
ですが、利用者は84.6%が満足と回答しています。
利用経験率を上げていくことが今後の訪問美容業界の課題となってきそうです。
ですが、現在日本は超高齢化社会となっており、2019年(令和元年)の総務省統計局の統計調査では以下のような結果が出ています。
65歳以上人口は3588万5千人で,前年に比べ30万7千人の増加となり,割合は28.4%で過去最高となっています。
引用元:総務省統計局HP
75歳以上人口は1849万人で,前年に比べ51万5千人の増加となり,割合は14.7%で過去最高となっています。
訪問美容の主なターゲット層の中でも最も割合を占めるのが要支援者・要介護者の認定を受けた方になる為、施設はもちろん、ご家族からの要望で自宅で利用される方はこれからも増えていくと考えられています。
在宅と施設、利用者数はどう変わった?
また、コロナウイルスの影響により、高齢の家族の外出や接触の不安などから利用される方も増加しており、これから更に需要が高まっていくと考えられています。
下記は訪問美容の過去三年間のデータです。見ると2019年、2020年と数字に変動がほぼなかったのに対して2021年はその数字に変動がありました。
2020年までは施設で施術を受ける方が多かったのに対して、2021年はその数が少し減っており、
在宅で訪問利用サービスを利用される方が2021年は9.3ptも増加しています。
また、下記のデータは訪問利用サービスの利用に関しての調査です。
「在宅での利用を増やした」方が「施設での利用を開始した/増やした」と回答した方より多いといった結果になりました。
やはり自分の知るスペースで安心して施術を行ってもらえる在宅の需要が高まっているようです。
利用者が求めているサービスは?
訪問理美容サービスに求めることのアンケート結果によると、満足しているポイントの1位は「料金が適正である」、2位は「安心して任せられる」、3位は「丁寧に扱ってくれる」。このうち、「安心して任せられる」は前年比7.6pt増でした。
また、訪問理美容師に行ってほしい感染症対策は、「マスク着用」「手指消毒」が7割超を占めることに加え、「新型コロナワクチン接種」「体温・健康状態の開示」も半数を超えました。
「PCR検査の結果の開示」や「抗原検査の結果の開示」も2割前後と、高いレベルの対策が求められていることがうかがえます。
まだまだ需要が高まりそうなサービス!
訪問理美容サービスは、満足度が高くありながらも、そのサービスの認知率と利用経験率に大きな乖離があることがわかりました。
コロナ禍ということもあり、要支援・要介護者と同居する人の約4人に1人は、「家族に訪問理美容サービスを利用してほしい」と強く思うようになったことや、訪問理美容・理美容室(店舗)非利用者のうち、切る必要がない方はわずかであることを踏まえると、訪問理美容サービスの大きな潜在的ニーズを感じます。
中でも利用者が訪問理美容サービスを選択する理由である感染症への不安への対策はしっかり実施をアピールすることや最も満足しているポイントである「安心感」を高めていくことで、まだまだこれからの利用者の裾野が広がっていきそうです。
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